肝臓がんの早期発見と予防のために肝炎ウイルス検査を

定期観察を受けていれば早期発見、早期治療ができる

肝臓がんの多くは、肝炎ウイルスの感染が原因。検査で感染しているかどうかを調べ、感染していたら適切な治療を受けることで肝臓がんの発症を減らせます。40歳以上の人は、肝炎ウイルス検査を受けましょう。

日本の肝臓がんの約9割は、ウイルス性肝炎が原因とされています。ウイルス性肝炎に感染後、慢性肝炎→肝硬変と進行し、肝臓がんを発症、というのが典型例です。内訳はC型肝炎が7割以上、B型肝炎が1割強です。

そのため肝炎ウイルスの感染の有無を調べることが、肝臓がんの早期発見や予防の第一歩です。感染していない人は肝臓がんになる確率はかなり低いと考えてよく、感染していたら定期的な検査や適切な治療を受けることが大事です。

「ウイルス性肝炎の治療法は、B型、C型とも新しい薬が登場し、選択肢がふえました。とくにC型は新薬によってほぼ治る病気になり、きちんと治療すればがんの予防に有効です。B型は肝機能が正常なまま急にがんを発症することがありますが、定期観察を受けていれば、がんを発症しても早期発見、早期治療ができます」と話すのは、ウイルス性肝炎の診断・治療に詳しい正木尚彦先生です。

陽性だった場合は放置せず、すぐに専門医で精密検査を受ける

肝炎ウイルス検査は血液検査で、1回の採血でB型とC型の感染の有無を調べます。

B型の検査では、HBS抗原というB型肝炎ウイルスのたんばく質を検出します。陽性は感染している「キャリア」という意味なので、もし陽性であれば、医療機関で感染状態を調べる詳しい検査を受ける必要があります。

C型は「HCV抗体検査」といって、HCV(C型肝炎ウイルス)に対する抗体を測定します。陽性はこのウイルスに感染したことがあるという意味で、現在もウイルスがいる持続感染者(キャリア)と、現在はウイルスがいない人がいます。そこで、陽性の人には血液中にウイルスの遺伝子があるかどうかを調べる「HCV核酸増幅検査」が行われます。これが陽性ならキャリアです。

B型、C型ともキャリアに対しては、精密検査で腫瘍マーカーや腹部超音波検査などが行われます。「肝炎ウイルス検査は一生に一度、受ければよい検査です。40歳以上の人は必ず受けてください。保健所や自治体が委託した医療機関のほか、人間ドックでも受けられます。陽性だった場合は放置せず、すぐに専門医で精密検査を受け、肝炎であることがわかったら治療を受けてください」(正木先生)

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