大きくなってきた子宮筋腫の治療は?

よくみられる身近な病気

Q.45歳、女性。3年前、5cmくらいの子宮筋腫が見つかり経過観察をしています。最近になり、10cmほどの大きさになっていることがわかり、子宮全摘出の手術をすすめられました。不正出血や月経痛などはとくにありません。閉経も近いので、できれば温存したいと思っていますが、子宮がんも心配です。手術をしたほうがよいでしょうか。(大阪府 K)

A.子宮筋腫は子宮にできる筋肉のこぶです。成人女性の3人に1人がもっているといわれるほど、よくみられる身近な病気です。

筋腫のできる位置によって3つのタイプに分けられ、①粘膜下筋腫と、②筋層内筋腫の一部では不妊症の原因になります。過多月経といって月経量がふえ、貧血になり仕事に差し障りが出ることもあります。このような場合、筋腫だけを取り除く手術などの治療が必要となります。

従来は子宮全摘術が開腹手術で行われていましたが、女性のライフスタイルの変化もあり、今は少なくなりました。③漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)のように、子宮の外に発育するものは、過多月経や月経痛などがなく、原則として手術はしないで経過を観察します。

ご相談者も、特別な症状がなく、③のタイプで経過観察されてきたものと思います。閉経すれば筋腫は縮小するので、手術は悩むところですが、最近大きくなっているというのが気になります。

腹腔鏡下手術で筋腫だけを取り除く筋腫核出術もある

40代も半ばになるとホルモン分泌が低下し、筋腫はあまり大きくならないケースが多いのですが、ご相談者は女性ホルモンの分泌がよく、筋腫も成長してしまっていると考えられます。日本人女性の平均閉経年齢は50歳ですが、ご相談者の場合、卵巣の働きがよく、その分閉経も遅れ55歳くらいになるかもしれません。

③のタイプの筋腫も10cmを超えると圧迫症状が出てきます。あと10年手術しないで頑張るのは大変かもしれません。最近では腹腔鏡を使っておなかを切らずに筋腫の手術ができますので、筋腫だけを取り除く筋腫核出術を受けるという選択もあります。

子宮を温存した場合、筋腫の再発や子宮がん発生のリスクはありますので、心配なら、子宮ごととる腹腔鏡下子宮全摘術も検討してください。どちらも、1週間足らずの入院ですみ、早期の社会復帰が可能です。なお、いずれの場合も卵巣は温存が原則ですので、手術により更年期障害になる心配はありません。

回答:医療法人財団順和会山王病院(東京都)院長 国際医療福祉大学大学院教授 堤治先生

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