登山中の吐き気や頭痛。高山病の対策は?

命にかかわることもあるので、発症したら迅速な下山を

Q.56歳、女性。友人に誘われて登山をした際に、吐きけと頭痛におそわれました。その場で安静にして頭痛薬をのんだらよくなりましたが、友人から高山病だろうといわれました。今後も登山をつづけたいので、高山病の予防法や対策について教えてくだきい。(富山県 S)

A.高山病とは、標高2500m以上の高所でおこりやすい、低酸素による身体症状の総称です。高齢者では、1800mを超える高地でも高山病の危険があります。高山病は予防が大切であり、早期発見・対策が鉄則です。

高山病は、よくみられる「山酔い」と、命にかかわる「高所肺水腫」「高所脳浮腫」の3つに分けられます。

山酔いは、頭痛に加え、①食欲低下、吐きけ、嘔吐、②全身疲労感や脱力感、③立ちくらみやめまい、④睡眠
障害(息苦しく何度も目覚める、眠れない)、などが少なくとも1つある状態です。軽症の場合の治療は、安静と頭痛薬の服用です。中程度から重症では、原則、低地に速やかに移動させることが求められます。高度差300mの下山でも、劇的な改善がみられます。

高所肺水腫は、山酔いと合併することが多く、次の症状と兆候がそれぞれ2つ以上ある場合です。

【症状】①安静時の呼吸困難、②せき、③全身脱力感、④胸部圧迫感

【兆候】①胸部聴診で水泡音などの特徴的な音がする、②皮膚、唇、爪が青くなる、③呼吸が速い、④頻脈

高所肺水腫は、山酔い患者の約1%がかかる重症な状態です。治療は速やかに低地に移動させることです。

高所脳浮腫の症状は山酔いに加え、運動失調(歩行がフラフラするなど)や精神錯乱がみられ、昏睡状態に陥った場合、適切な対応をしないと死に至る状態です。対策は、最優先で直ちに低地に移動させることです。

高山病対策には、ゆっくり登ることと予防薬の服用。

高山病の対策は、ゆっくり登ることと、薬剤(アセタゾラミド)での予防です。体力があるからと休憩をせずに短時間で登ると、高山病は発症しゃすくなります。余裕をもった日程で、なるべく時間をかけてゆっくりと高度を上げていき、疲労をためないことが大切です。

アセタゾラミドは、通常、緑内障やてんかんなどの治療に使われています。脳血管を拡張する作用があることから、高山病には脳の血流量をふやすことで、酸素不足を防止する効果が期待できます。高地に行く前日から、アセタゾラミドを施錠(125mg)ずつ、朝、夕の2回服用します。そして同量を高地に到着後3日間の計4日間服用します。5日目以降は、人間のからだは高所に順応できるようになるため、服用の必要はありません。

アセタゾラミドは、処方薬ですが、予防投与のため保険診療では投与できず、自由診療となります。かかりつけの医師に処方してもらえない場合は、日本旅行医学会のホームページで薬を処方してもらえる認定医を確認できます。持病のある人は、医師に相談してください。

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