食前のオクラ水で、血糖値の上昇が媛やかになる

胃の内壁に作用して血糖値の急上昇を抑制

つるた鷺ノ宮クリニック副院長の鶴田加奈子先生が、糖尿病専門医として重要視しているのが、食事療法です。

鶴田先生は、まず、食事療法の目安として、血液検査の結果や身長、体重などを考慮して、患者さんに必要なエネルギー(カロリー)や脂質、塩分の摂取量を決めていきます。そして、それを守るためにどんなことができるのか、日ごろの生活習慣を伺いながら、具体的な食事指導を行っています。

もちろん、糖質制限も重要ですが、腎機能不良のかたを除く多くの患者さんに共通してお話をしているのは、「野菜をしっかり食べましょう」ということです。

野菜は、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で、なにより低エネルギーです。たくさんの野菜を使い、脂質や塩分を程よく取り入れながらおいしく食べることは、満足感につながり、食事療法が長続きしやすくなります。

鶴田先生は、この「野菜が食事療法の要」という理念から、「ジュニア野菜ソムリエ」の資格を取得したほどです。

さて、今回の「オクラ水」は、糖尿病対策において優秀な利用法です。当然、糖尿病を治すには生活習慣全般を見直す必要があり、オクラ水だけで治るというわけではありません。しかし、食事療法の一助としては、大いに期待できる飲み物です。

緑黄色野菜であるオクラは、ほかの淡色野菜に比べて、ビタミンやミネラル、カリウムやβカロテンが豊富に含まれています。健康に欠かせない栄養素がまんべんなく含まれていて、美容効果も期待できます。

そして、オクラのネバネバをもたらす、ムチンやペクチンといった水溶性(水に溶けやすい)食物繊維も見逃せません。水溶性食物繊維を積極的に摂取することは、糖尿病の改善において、非常に有効です。

詳しく解説しましょう。

水溶性食物繊維は、胃の内壁に作用して、食べ物が小腸に進むスピードを緩やかにします。つまり、食べ物が消化・吸収される時間が遅くなるので、血糖値の急上昇を抑えられるのです。

また、水溶性食物繊維を摂取すると、小腸から出ているインクレチンというホルモンの分泌が促進されます。

インクレチンは、血糖値が高くなるときに、インスリン(膵臓から分泌される、血糖値を下げる働きがあるホルモン)を出すように促すホルモンです。このインクレチンが増えれば、インスリンが正常に分泌されるようになるのです。

また、インクレテンは脳に働きかけて、食欲を抑制する作用があることもわかっています。

こうして、ネバネバ成分が多く溶け出ているオクラ水を飲めば、血糖値の上昇が媛やかになるのです。

朝食長の前に飲むと血糖値が上がりにくい

オクラ水の利点は、摂取のしやすさにもあります。

野菜の摂取量の目標は、成人1日当たり350gです。そのうち、緑黄色野菜は120gといわれています。数字だけ見ると簡単に感じますが、これだけの野菜を毎日食べるのは、その手間や金銭面を考えると、容易ではありません。

その点、オクラ水は材料も安価で、手軽に作ることができます。そして、残ったオクラを食べれば、野菜の摂取量の増加はもちろん、水溶性食物繊維とともに、果肉に多く含まれる不溶性(水に溶けにくい)食物繊維をとることもできます。

食物繊維の摂取量が増えれば、便通改善だけでなく、糖尿病のリスク低下にもつながります。欧州糖尿病学会の医学誌で発表された、3万人を対象にした調査によると、食物繊維を多くとると、2型糖尿病になるリスクが18%低下して、体重のコントロールも良好になることが判明しています。

また、近年、食後の血糖値の急上昇が動脈硬化を進行させて、脳梗塞や心筋梗塞などによる突然死のリスクを高めると懸念されています。

実際、ヨーロッパで行われた調査では、血糖値の乱高下がある人は、正常な人に比べて、心筋梗塞による死亡リスクが2倍も高くなるという結果が出ているのです。オクラは、こうした突然死のリスクを減らすためにも役立つでしょう。

そして、血糖値の乱高下を防ぐためにも、食事の最初に野菜を食べる「先ベジ」を行いましょう。血糖値が最も上昇しやすい時間帯は朝ですが、朝食時に野菜を準備するのは、意外とめんどうです。

その点、オクラ水なら、前日に漬けるだけなので楽に先ベジを実践できます。また、糖質をたくさん摂取しそうな食事(ビッグミール)をとる前にオクラ水を飲むのもお勧めです。

オクラは、これからが旬の野菜です。旬の野菜は生命力が豊かで、栄養素もアップします。夏に向けて、皆さんもオクラ水を試してはいかがでしょうか。

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