視覚トレーニングが認知症の予防に

眼の運動が思考力を高める

2012年に医学博士 加藤俊徳先生が行った研究では、眼を動かすだけで、(後頭葉だけでなく)脳の広範囲が働いていることがわかりました。

計測は、加藤俊徳先生が開発したCOE検査という方法で行いました。これは、「脳酸素交換機能計測法」の英文の頭文字を取ったもので、頭皮に安全な光を当てて、脳内の酸素と血液の働きを同時に調べる技術です。

例えば、漢字を書いているときに使われている脳の部分は、多くの酸素を必要とします。酸素が消費されると、新たな酸素が必要になり、そのため、その部位周辺に新鮮な血液が増えて、血流が上がるのです。COE検査は、このような行動と脳の働きの関係が計測できるのです。

そこで、眼の動きと脳の働きを計測するために、COE検査を行ったところ、こような結果が得られました。

左側は、眼を動かしていない脳の状態で、右側は、追従性眼球運動(動いているものを限で追う運動)をしているときの脳の酸素と血流の結果です。

眼が動いていないときは、酸素にも血流にも変化はありません。

視覚トレーニングを行えば認知症の予防にもなる

追従性眼球運動をしているときには、脳は後頭葉だけでなく、前頭葉でも酸素が使われ、血流がアップしていたのです。前頭葉は、思考や創造性を担う脳の最高中枢で、生きていくための意欲や記憶、実行機能などをつかさどり、よく脳全体のオーケストラの指揮者にたとえられます。

このように、眼の運動が、後頭葉だけでなく前頭葉の血流までも高めたという結果は、大変興味深いものでした。

さらに、後頭葉の上部には、場所や記憶をつかさどる頭頂葉があります。

ここは、脳の中でもいちばん血流が低いところです。たとえていうと、血管という道路が通っていない田舎。ですから血液が行き渡りにくく、脳の中でも最も衰えやすいのです。

ここが衰えると、自分が今いる場所や帰る道順がわからなくなり、徘徊などの認知症の症状が起こることがあります。視覚トレーニングを行えば、頭頂菓にまで血液が行き渡り、認知症の予防にもなるのです。

視覚トレーニングで、脳を鍛えることができますが、興味のないまま、義務感で行ってしまうと効果が出ないことがあります。自分がやりたいから、100歳までずっと健康でいたいから、と自主性を持って取り組むと、脳は一斉に働き始めます。

皆さんも、明確な意思を持って、視覚トレーニングに取り組んでください。

100歳になったときに、現在の脳年齢をキープできていれば、最高のアンチエイジングになるでしょう。

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